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1712年 プロイセン王国 ターラー銀貨 ベルリン造幣局 クリストフ・シュトリッカー銘 NGC MS64+(Top Pop) FRID. D. G. REX BORUSS. / SVVM CVIQVE

仕様
発行国 プロイセン王国(ベルリン造幣局)
年号 1712
額面 ターラー
材質 銀
重量 実測 29.07 g
ミントマスター C.S.=Christoph Stricker
鑑定 NGC MS64+(Top Pop)
参考文献 Dav. 2566, von Schrötter 66, Olding 10

銘字転写
表 FRID. D. G. REX BORUSS. EL. BR.
訳意 フリードリヒ、神の恩寵によるプロイセン王、ブランデンブルク選帝侯
裏 SVVM CVIQVE
訳意 各人にその相応のものを(現代綴り Suum cuique)

1712年 プロイセン王国 ターラー銀貨 ベルリン造幣局 クリストフ・シュトリッカー銘
NGC MS64+(Top Pop/Dav.2566, von Schrötter 66, Olding 10)
FRID. D. G. REX BORUSS. / SVVM CVIQVE

フリードリヒ1世(在位1701–1713、選帝侯としてはフリードリヒ3世)の治世下、ベルリン造幣局で1712年に鋳造された大型銀貨ターラー。
ミントマスターはC.S.=クリストフ・シュトリッカー。表面には月桂冠を戴く王の右向き胸像、裏面には王冠を頂いた組み合わせ文字FR(Fridericus)と、黒鷲勲章の頸飾(Order of the Black Eagle)が荘厳に巡る。王権の正統性と秩序を象徴するこの意匠は、プロイセン王国の誕生を告げた時代精神そのものである。

本コインは、NGCにてMS64+の評価を受けた現存最高位(Top Pop)の一枚。
1712年ベルリン鋳ターラーとしては、これを上回るグレードは確認されておらず、同年号の代表的標本として位置づけられる。フィールドには穏やかな銀灰色のトーンが広がり、髪束・甲冑・頸飾の粒文に至るまで打刻が鮮明。硬質な光沢を帯びた面質が、18世紀初頭プロイセンの工芸的完成度を今に伝える。

月桂冠は勝利と正統を、黒鷲勲章のモットー「SVVM CVIQVE(各人にその相応のものを)」は秩序と公正を表す。
その理念を金属に刻んだこのターラーは、単なる貨幣を超えて「王国の精神」を可視化した歴史的アーティファクトといえる。
静かな気品と重厚な存在感を併せ持つTop Pop個体として、プロイセン王国創設期を象徴する逸品である。

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※Top Pop=NGC登録における現時点の最高位
※重量:実測29.07 g(出典ロット記載)
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表面(オブバース)

王の胸像は、豊かに波打つ巻き毛、胸甲、肩に掛けられたマント、そして月桂冠によって構成され、初代プロイセン王としての威厳を端的に示している。
銘字「FRID. D. G. REX BORUSS. EL. BR.」は、神の恩寵によるプロイセン王およびブランデンブルク選帝侯としての地位を簡潔に宣言するもの。1701年の戴冠によって選帝侯から国王へと昇格したフリードリヒ1世の誇りと新王国の自信が凝縮されている。

本コインの打刻は明瞭で、髪束の分岐や甲冑縁の細部、マントの襞に至るまで立体感を保ち、NGC MS64+の評価にふさわしい完成度を示す。頬やフィールドの摩耗は極めて軽微で、縁の立ち上がりも健全。視線がわずかに上方を向く肖像の構図は、バロック期特有の動勢と静けさを併せ持ち、王の理想像―威厳と安定―を巧みに表現している。

裏面(リバース)

中央には王の組み合わせ文字FR(Fridericus)、その上に王冠が掲げられ、周囲を黒鷲勲章の頸飾が荘厳に巡る。
黒鷲勲章は1701年、プロイセン王国の成立とともに創設された最高勲章であり、そのモットー「SVVM CVIQVE(各人にその相応のものを)」は秩序と功績を重んじる王国の理念を象徴している。

頸飾の節やビーズ状装飾の粒立ちは鮮明で、章飾の垂れ下がり部まで打刻が深く行き届く。日付1712の数字形状も整い、下部に刻まれたミントマスター銘「C.S.(Christoph Stricker)」の視認性も高い。モノグラムの内側フィールドには穏やかな艶が広がり、トーンの変化が王冠や頸飾との陰影を際立たせ、視覚的な立体感と格式をいっそう高めている。

歴史的背景

17世紀末から18世紀初頭にかけて、ブランデンブルク選帝侯家を率いるホーエンツォレルン家は、神聖ローマ帝国内で着実に勢力を拡大し、1701年、東プロイセンのケーニヒスベルクで王冠を戴いたフリードリヒ1世により、正式にプロイセン王国が誕生した。彼は文化と威信を重んじ、建築・芸術・儀礼を通じて王権を可視化する政策を展開し、貨幣もまたその象徴的媒体の一つとなった。

1712年のターラー銀貨は、戴冠から10年余を経て王国としての地位が確立しつつあった時期に発行されたものである。肖像面では王権の安定と正統を、裏面では黒鷲勲章とモットー「SVVM CVIQVE」を通じて、公正・秩序・功績主義という国家理念を掲げている。勲章の導入は近代的な統治理念を具現化したものであり、功績に応じて栄誉を授ける制度は後のプロイセン官僚国家の礎を形づくった。

この貨幣は単なる経済手段を超え、王権の象徴としての機能を担った。新興王国プロイセンが掲げた「文化と規律による国家」という時代精神を金属に刻印した記録でもあり、フリードリヒ1世からフリードリヒ2世(大王)へと続くプロイセンの系譜の出発点を象徴している。

デザインと象徴性

月桂冠は勝利と正統性の象徴であり、王権の永続を暗示する。胸甲は王が国家と民を守護する武人的側面を、頸飾は功績に対する公的評価の制度化をそれぞれ表す。黒鷲勲章のモットー「SVVM CVIQVE(各人にその相応のものを)」は、身分と秩序を重んじる近世的価値観を映し出し、功績によって栄誉を与える王国の理念を明確に伝えている。

肖像の造形は当時の宮廷肖像画に通じる写実と量感を備え、金属面の研磨と打刻の調和が独特の深みを生む。鏡面の艶と陰影の対比が生み出す立体感は、プロイセン王国初期の芸術性と統治理念が交差する象徴的な造形として完成している。

市場評価

プロイセン王国期の大型銀貨の中でも、1710年代ベルリン造幣局のターラーは、王国初期の象徴的作品として特に評価が高い。肖像の造形精度、黒鷲勲章の細密さ、そして「SVVM CVIQVE」のモットーが刻む理念的深みが相まって、芸術性と政治的意味の両面から収集価値を持つシリーズである。

市場では、フリードリヒ1世期ターラーは供給数が限られ、状態による価格差が極めて大きい。打刻の強さ、トーンの均整、輪列の整い、肖像の鮮明度などが評価の中心となり、MS64以上の個体は欧州主要オークションでも安定した需要を保っている。

本コインはNGC MS64+を獲得し、登録上の最高位(Top Pop)に位置することから、国際的にも極めて希少な存在である。
特にこのクラスの保存状態では、肖像の艶、髪束の立体感、フィールドの鏡面反射が抜群で、同型の標準的ミントステートを凌ぐ完成度を示す。

Top Pop個体としての特別な地位は、単なる高鑑定にとどまらず、「1712年という年号の代表標本」としての意義を持つ。歴史的価値・美術的完成度・保存状態の三要素が最高水準で融合したこのターラーは、今後も長期的な需要の中で確固たる位置を維持し続けると見られる。

希少性

1712年ベルリン造幣ターラーは、フリードリヒ1世の在位末期にあたる発行であり、実際の鋳造量は多くなかったと推測されている。特にミントマスターC.S.(クリストフ・シュトリッカー)の銘を明確に残す個体は限られ、完全な打刻と整った縁を備えた標本は現存数が少ない。

当時の金属精錬技術や打刻圧のばらつきから、髪束や頸飾の細部に弱打が見られるものが多く、MS64以上のグレードはオークション記録上でも僅少。
MS64+ Top Pop個体は市場においても基準的な存在として位置づけられる。

この等級は単なる数値上の頂点ではなく、1712年ベルリン造幣ターラーの代表的最上級標本を意味する。保存状態・打刻・トーンの三拍子が揃った個体は、今後の出現機会が極めて限られるだろう。歴史的背景と工芸的完成度を兼ね備えた一枚として、コレクションの中核を担うにふさわしい

鑑定・保存状態コメント

本コインは、NGCにおいてMS64+の評価を得ており、現存する登録個体の中で最高位(Top Pop)に位置づけられている。フィールドには均質な銀灰色のトーンが広がり、落ち着いた光沢が金属表面を包む。過度なクリーニング痕や酸化の斑点は見られず、自然な経年感を保ちながらも、鏡面の艶とサテン状の反射が共存する。

肖像部では髪束の細線や胸甲縁の粒飾りが明確に残り、マントの襞は陰影の移ろいが美しく表れる。
裏面の黒鷲勲章の頸飾は節ごとの粒立ちが整い、章飾の垂れ部に至るまで打刻が深く、1712年ベルリン造幣局の技術的水準を如実に伝える。
輪列の整いも良好で、外周の立ち上がりに疲弊がない。

照明下では、柔らかな艶がゆるやかに広がり、肖像の輪郭とモノグラムが淡く浮かび上がる。
保存状態・打刻・トーンが高次で均衡したTop Pop個体として、資料的・美術的価値のいずれにおいても第一級の水準に達している。

この1712年ベルリン造幣ターラーは、プロイセン王国の成立と同時に芽生えた「秩序」「正統」「栄誉」という理念を、一枚の銀貨の中に凝縮している。フリードリヒ1世の肖像は威厳に満ち、裏面のモノグラムと勲章頸飾は新生王国の制度と誇りを静かに語る。

本コインはNGC MS64+、現存最高位(Top Pop)という鑑定が裏づける通り、保存状態・打刻・光沢のいずれも際立つ水準にある。単なる高鑑定品ではなく、1712年という王国史の節目を体現する象徴的標本であり、歴史と美術の交点に立つ一枚として特別な存在感を放つ。

手に取ると、銀の奥に沈む光が時を超えて呼応し、王国創設の息づかいが伝わるようである。コレクションにおいては単なる一点を超え、「プロイセンの誇り」を静かに物語る核となるだろう。

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